※現在、新たな学部長が就任されています。
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入学してからの2年間(前期課程)の教育を担当する教養学部。教養学部という学部がある大学は数少なく、一つの学部の中で文系と理系両方の研究・教育を行っている点も特徴的である。2007年4月に学部長に就任した小島憲道教授に、教養学部の研究・教育についてお話を伺った。
―どのようなことを研究しているのですか。またその目的は何ですか。
教養学部の中には、文系3学科、理系3学科があります。文系3学科には超域文化科学科、地域文化研究学科、総合社会科学科があり、理系3学科には基礎科学科、広域科学科、生命・認知科学科があります。また、教養学部の上には、総合文化研究科という大学院があります。1996年の大学院重点化によって設置された大学院で、文系4専攻・理系1専攻があります。理系の1専攻の中には、専攻に準じる3つの系があります。
どういう研究を行っているかと申しますと、「学際的な研究」というのが一つのテーマになっています。例えば、特徴的な研究では、平成14年度に2件、平成15年度に1件の計3件の21世紀COE(Center of Excellence)が採択されました。具体的には「共生のための国際哲学交流センター」、「融合科学創成ステーション」、「心とことば―進化認知科学的展開」という3つのプロジェクトがあります。その中でチームを組んで、例えば化学と数理科学のすばらしい共同研究の論文が出ています。もちろん普段から研究者同士が集まってチームを組んでやることはありますけれども、一つの大きな目標を持ったプロジェクトを組んで共同研究をすることが、優れた研究を生み出すキッカケになっているのではないかと思います。
理系の一つの特徴として、世界でも有数の「複雑系の科学」の研究拠点であることが挙げられます。物理学、化学、数理科学などの異分野が融合して、未解決の現象を普遍的な原理として解明していって、新しい学問を作っていこうとしています。文系でいえば、表象文化・芸術が挙げられると思います。中にはダンスを研究している研究者もいます。従来の研究分野では学問の対象ではなかったものを学問に組み込んでいく。それが一つの特徴ではないかと思います。
―学部全体として何を目指しているのですか。
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